薬剤師になるためにかかる費用は莫大です
こんにちは!薬師です。
今回は薬剤師になるためにかかる費用について書いて行きます。大学で学ぶことと学費は切っても切り離せない問題です。学費の問題は学生よりも家族の関心が高いでしょう。
「薬剤師になりたい!」と思っても、勉強さえできれば良いわけではありません。大学で学ぶということは高額な学費が必要です。また、薬学部が近くにない場合には、時として遠くまで通学したり、下宿する必要があります。
現在、薬学部には4年制薬学部と6年制薬学部の2種類がありますが、薬剤師になるために突破しなくてはならない薬剤師国家試験の受験資格が得られるのは6年制薬学部のみです。ということは、他学部(医学部と歯学部を除く)と比べて2年多く大学に通わなくてはなりません。
それぞれ詳しく書いて行きますので、これから薬剤師を目指す学生さんは勿論、家族の方も参考にしてみてくださいね(・ω・)b
薬剤師になるために必要な費用の内訳
薬剤師になるために必要な費用、特に大きな費用は大きく分けて次のものがあります。
- 学費(大学の授業料、教科書・専門書代、文具類、各種試験の受験料)
- 通学・下宿代(通学の場合は定期代や自動車のガソリン代、下宿の場合は家賃や光熱費、下宿先からの交通費)
- 交際費(友人や先輩後輩との飲み会費用、仲間との旅行代、彼氏彼女とのデート費用)
この中でも、本人や家族の努力で多少コントロールができる費用とそうでない費用があります。
学費や通学費はコントロールできませんが、下宿代や交際費は多少コントロールできます。
但し、所属する大学や研究室によっては一般的な大学生の様にアルバイトはできませんので、仕送り等で家族のサポートが必須と言えるでしょう。
それなりにアルバイトをして稼ぐ!という学生もいますが、それで留年するのであれば本末転倒です。
具体的な金額
学費
国公立大学は6年間で約350万円前後、私立大学は6年間で約1000~1500万円前後、
教科書代は1年間で最低10万円前後はかかります。中には、先輩から譲り受けたり、コピーで凌いだりもありえますが、しっかり勉するなら、1冊自分専用で持つことが必要なことが多いです。
その他(文具や消耗品などの雑費)費用で1年間10万円程度を見ておけば問題ないと思います。
学費全体としては、6年間の合計で国公立なら約470万円、私立なら約1120万円~1620万円程度となります。
通学・下宿費
どのエリアの大学に進学するかで相当変化しますが、仮に家賃がひと月10万円の物件だと光熱費や通信費やその他雑費を合わせて15万円は必要でしょう。12ヵ月で180万円、6年間では1080万円です。
昔のように格安下宿は殆どないですし、セキュリティのしっかりした部屋ならば地方でもそれなりの家賃が必要です。
実家から公共交通機関での通学なら学生定期券があるでしょうから、新幹線や特急列車での通学ではない限り、1年間で10万円程度ではないでしょうか。6年間では60万円程度ですね。
公共交通機関の学割はパワフルなので、相当お得です。
こうしてみると、通学か下宿かでは相当な差が生まれています。
交際費
サークルや部活に参加するのか、彼氏彼女を作るのか、どんな仲間と過ごすのかで大きく変わりますが、大学生になると交流の範囲が広くなるので、それなりに必要となってくると思います。
月1で飲み会に参加するなら、1回3000円として年間で飲み会費用は3万6000円です。友人との食事や語らいに月1万円かかるなら、年間では12万円は必要です。異性と月2回デートするなら1回5000円として月1万円、年間12万円は必要だと思います。すべてフル参加、6年間を通して同じ条件と仮定すると、最低約170万円は必要です。当然、これ以上かかると思います。
しかし、ここケチるのも面白くありません。今しか楽しめないことを全力で楽しむのは必要なことです。
上の3項目を合計すると、
国公立大学で通学の場合、6年間合計約700万円となります。
国公立大学で下宿の場合、6年間合計約1720万円となります。
私立大学で通学の場合、6年間合計約1350~1850万円となります。
私立大学で下宿の場合、6年間合計約2370~2870万円となります。
かなりの差がありますね。
大きく差がついてしまうのは、実家から通学するのか下宿するのかが大きそうです。
下宿して国公立大学へ進学することと、実家から私立大学へ進学することは経済的には大差がなさそうです。
勿論、都心部の大学へ進学すればこの金額を遥かに超えるでしょうし、地方であればこの金額より低くなる可能性は高いでしょう。
薬学部ならではの留年、卒業延期問題
そして、ここからが薬学部に特異的な考慮するべきコト。それは、留年(卒業延期を含む)です。
間違いなく、薬学部は他学部よりも留年率は高いと思います。
これは薬剤師になるために必要な費用や学費問題を語る上で切っても切れない問題なのです。
上で確認した6年間でかかる費用は、あくまでも6年間でストレート卒業した場合です。
留年をすると追加で1年分の諸々の費用が降りかかってきます。これは一大事です。
大学毎に留年に関する事例は異なり、例えば、「A大学では◯回生の時に留年しやすい」や、「B大学では6回生までは比較的スムーズに進級できるが、卒業試験でバッサリ切られる(卒業延期)」等の大学ごとの特色があります。
これから薬学部へを入学を考えている学生さんや家族の方はここのところを志望校のオープンキャンパス等で確認した方が良いでしょう。
こういった情報は教職員や事務員からは能動的に得られないことが多いです。何故なら、大学の広報においてデメリットとして働いてしまう可能性が高い情報だからです。
是非とも、オープンキャンパスでよくある在学生との交流や、オープンキャンパスの学生スタッフに聞いてみるといいでしょう。
まとめ
薬剤師になるには、国公立大学にしろ私立大学にしろ、6年間で相当なお金がかかります。
また、留年する等、その費用が増大するリスクもあります。
進学とお金は切っても切れない関係です。経済的な理由が進学に影響するのはやるせなさを感じますが、現実です。このバランスが崩れると、家庭環境を破壊してしまう可能性もあります。
これから進学先を考える学生さんはよく家族と話し合ってください。決して遠慮することはありません。自分の希望する進路を妥協することなく伝え、どうすればその進路を実現できそうかを家族と一緒に考えてください。
家族の方は、お子さんが進路に悩んでいて、それが経済的に困難な場合はしっかりと現実を伝えてあげてください。その上で、どうしたら少しでも理想の進路に近づけるかを一緒に考えてください。お子さんは家庭の経済状況はわかるようでわからないものです。出来る、出来ないにかかわらず、状況がわかるだけでも落ち着いて対応できると思います。
進学先を決めるのは、その後の人生を大きく左右します。
しっかり納得の上で、決めて行けるといいですね!
コメント