ブラック薬局の見分け方5選
こんにちは。薬師です。
今やコンビニの数よりも多くあると言われる調剤薬局。調剤薬局の数だけ、そこで働いている薬剤師がいます。
薬剤師の仕事は簡単そうに見えるかも知れないけれど、高い集中力が必要なハードな仕事です。
薬剤師の業務は多岐に渡り、職場によっては薬剤師の知識を活かさない業務を行うこともあります。重たい物を運ぶ機会の多い職場もあるでしょう。そうなれば、肉体的にも精神的にも負担がかかります。
ブラック薬局は、多くの業務を少ない人員で回したり、ヤバい人が同僚や上司となり人間関係で大変な苦労をします。真面目に働く薬剤師が極度に疲弊してしまい、人間らしい生活ができなくなってしまいます。仕事に行くのが嫌になる、最悪の場合、薬剤師という仕事が嫌になってしまう原因になります。
この記事ではブラック薬局によくみられる特徴を列挙します。
意外と外部からは見えにくい、実際に就職してみないとわからないことが数多くあります。
もしかすると、あなたがお勤めの薬局もブラックかもしれません…よ?
1.慢性的な人手不足
業務量に対して人員配置が少ない
人件費をケチっている薬局です。数多くの業務を少ない人数で回している薬局が該当します。
人件費を減らせば減らすほど利益は上りますから、薬局を経営する上では大切なことですが、働く人がその負担を強いられるのは違います。
慢性的な人手不足の薬局は求人サイトの数字のみで見抜くことが難しいです。
求人情報では1日あたりの受付処方せん枚数や基本的な人員配置(薬剤師○名、調剤助手○名、事務○名など)が記載されていますが、1日あたりの処方せん枚数では正確な業務量(忙しさ)は把握できません。
処方せんの内容が重要だからです。同じ1枚の処方せんでも、5分で対応できるものもあれば30分以上かかるものもあります。また、それが門前クリニックばかりなのか、在宅など特別な対応が必要なのかでも変わります。
ドラッグストアであれば、一般用医薬品(OTC医薬品)の対応が必要なのか、雑用(レジ打ちや品出し)も行う必要があるのか、によっても大きく異なります。
また、基本的な人員配置についても、本当にその人数が常時確保されているのかは確かめないとわかりません。
十分な人員配置が行われていない場合、休憩もしっかり取れないこともあります。
休憩が規定時間しっかり取れていない、休憩時間に頻繁に現場から呼び出しや連絡が入る、休憩時間がまとめて確保できない(60分休憩が30分休憩×2回)従業員がいる場合は要注意です!
他店舗への応援が多い
応援頻度もブラック薬局の指標と言えるでしょう。
配属先から頻繁に他店舗の応援に行かされる場合は、慢性的な人手不足の表われです。
応援先の環境が劣悪か、不便な立地など働きたい人が集まらない条件がそろっているといった事情があるでしょう。応援者は慣れない店舗への通勤に苦労したり、労働環境が悪化しますので、結果的にブラックになります。極希に、応援先への通勤時間も業務扱いや、特別手当が出る場合もあるようですが、まず無いと考えてください。“困っているなら…”というあなたの善意が搾取されるだけです。
他店舗への応援は、応援対応している人が単独でブラックになるので、断れるなら断るのが一番ですが“真面目で会社想いな人ほど”難しいですよね。会社が都合の良いように指示してくる、良いように使ってくる上司がいる場合はブラック要素満載ですから要注意です!
2.人間関係が悪い
業種を問わず、離職理由で一番大きいのは人間関係です。
薬剤師業界も同じです。人間関係がすべてと言っても過言ではありません。
あなたが自分の力を発揮して気持ちよく仕事をするには人間関係をしっかり確認しましょう。
同僚や上司に問題がある人が多い
薬剤師になるには一定以上の学力が必要なので、プライドが高い人も少なくありません。相手の気持ちを考えずに応対する人もいます。人として問題がある人が上に立つと部下は悲惨ですし、そういう人が周りにいると悪影響を受けてしまいます。
言葉遣いが粗い、攻撃的な言葉を使う、本人が言われて嫌なことを平気(わざと)で言う場合は精神的にやられてしまいます。そうするとあなたが本来発揮できていたパフォーマンスができなくなります。最悪の場合、あなたの今後の人生に影響を及ぼしますので、この様な上司や同僚に当たった場合はすぐに距離を取りましょう。
問題のある人が同僚であれば上司に、上司であれば更に上の上司に相談することも検討できますが、相談しても基本的には対応を期待してはいけません。
何故なら、どこも人手不足だからです。あなたが相談したところで、配置を変えてくれる可能性は皆無に等しいでしょう。話しを聞いて、やんわりと慰められてお終いです。
会社としては、人間性に問題があったとしても辞められてしまう方が困るので、その問題のあるスタッフに対して何もアクションをしてくれません。
自分の身は自分で守りましょう!
悪口が飛び交っている
現場に配属されてみないとわからないことですが、同じ職場内で働く仲間の悪口を言っている職場は多くあります。薬剤師の仕事はストレスフルなので、多少は仕方がないとしても、延々と悪口が横行しているなら注意が必要です。
人の悪口は聞いていて気分の良いものはありません。そのうち、あなたも同じように悪口を言うようになってしまいます。ミイラ取りがミイラになってしまうのと同じですね。そうなるとあなたの魅力は半減してしまいます。そうならない為にも、悪口ばかりの環境は避けた方が良いでしょう。
今現在、悪口の多い環境にいる方は、同調して悪口を言うのは止めて、ここはヤバいかも…と要注意モードになってください。
短い期間での退職者が多い、人の入れ替わりが激しい
退職者の人数や退職者の在籍期間は非常に分かりやすい指標です。
薬局内でスタッフの入れ替わりが激しい場合は、労働環境が劣悪である可能性が高いです。
主に2パターンあります。
・常に人が入れ替わっている場合
・新しく入った人がすぐに辞めて行き、ずっといる人ばかり残っている場合
どちらも警戒してください。
辞める人が1年以内に辞めている場合は何か理由があるはずです。
もし、半年以内に辞めている場合は相当環境が劣悪であり、明らかな異常がある可能性が高いでしょう。
いくら条件が良くても、気をつけてください。あなたも同じ道をたどる可能性が高いので要注意です!
3.従業員の教育プログラムがない
新しく入社した会社に教育プログラム(マニュアル)が無い場合は注意が必要です。
また、マニュアルがあっても、しっかりとた内容であるかどうかは要チェックです。
具体的な目安は、マニュアルを見れば全くの未経験の人でも8割型の仕事ができるかどうかです。
例えば、その会社内でしか通用しない専門用語ばかりで読んでもチンプンカンプンなら要注意。マニュアルには社内の体制や姿勢が表われているものです。
OJT(On the Job Training)を実施している薬局がほとんどだと思いますが、この時には上にも記載した「人間関係」「指導してくれる先輩や上司に問題がないか」をしっかり見てみてください。
業界未経験で入社の方はもちろん、経験者でもその会社は未経験です。あなたが最初うまくできないのは当然です。その時にどういった対応をしてくれるのかはあなたが今後気持ちよく働くことができるかどうかの指標になるでしょう。
4.会社のトップ層に薬剤師(現場経験者)がいない、少ない
薬剤師の業務内容は複雑です。現場は意外と閉鎖的(外部の人から見えない)であるため、業務を行っている薬剤師にとっては常識であることも、外部の人からすると全く想像がつかない内容もあります。
薬局は医療機関ですが、その薬局を経営しているのは医療機関とは似ても似つかない企業であることは珍しくありません。そうすると、薬局や薬剤師を全く知らない人が薬局業務に携わることになります。
現場の常識とは異なる薬局運営が行われてしまうケースが多くあります。薬剤師側が正しい事を主張しても相手側が理解できないので、それがきっかけで労働環境が悪化してしまうこともあるでしょう。
会社側とコミュニケーションをとって、改善点などを二人三脚でやれるのであれば良いですが、日々の業務に加えてこれらを行うのは、余程余裕のある薬局以外では簡単ではありません。
逆に、会社側が薬局運営の知識が乏しいので着任した薬剤師の話しをしっかりと聞いてくれる場合は理想的でしょうが、あまりないと思います。
やはり、会社側に薬剤師や現場を熟知した人がいることは、働く側にとっても安心できます。
現場を知らない人が多い会社は要注意です!
5.求人サイトの年収が極端に高い!
求人サイトを見ていると、極端に高い想定年収を示している求人があります。
これは要注意です。同じエリア内、業種と比較して明らかに高い場合は「高いだけの理由」が必ずあります。
中には、急遽退職者が出てしまい、どうしてもすぐに就職してくれる人が欲しい!という真っ当なケースもありますが、稀です。
劣悪な労働環境で新任者が来てもすぐに辞めているサイクルが繰り返されているかも知れません。要注意です!
突然ブラック化することがある
薬局に限らずですが、今までホワイトだったのに、突然ブラック化することがあります。
これは突然の退職など急激な職場環境の変化が原因です。調剤薬局やドラッグストアでは人の入れ替わりが比較的激しいので良くあります。
問題は、そうなってしまったときの会社(上司)の対応です。
根本的にブラックではない場合、“しっかり対応できる”応援者が来てくれたり、すぐに欠員補充されるはずです。会社によってはエリア薬剤師がいたりと急場の対応が事前に準備されています。この場合はそこまで気にする必要はないと思います。仮に不満があったとしても我慢して良い職場と言えるでしょう。
しかし、「会社として急な対応は難しいから現場で何とかしてくれ」という場合はまずいです。
残された人員で「確実に何とかできる業務量」なら良いのですが、明らかに難しい場合は会社の体制そのものに原因がある場合が多いものです。
ブラック薬局に就職、転職してしまったらどうなる?どうする?
ブラック薬局に就職すると、どうなるでしょうか。最悪の場合、不可逆的に精神や身体を壊します。
働くことができなくなってしまったり、薬を飲み続けなくてはならなくなってしまうかも知れません。
まさか?!と思う方がいるかも知れませんが、本当です。管理人の知人に実在します。特に真面目で勤勉な人ほど、そうなってしまう傾向が強いです。
せっかく苦労して手に入れた薬剤師の仕事ができなくなってしまうのは避けたいですよね。
悲しい現実ですが、自分の身は自分で守るしかありません。
また、管理人が最も恐れることは「自信を失ってしまうこと」です。
ブラック薬局に勤め続けると、忙殺されてしまい我を見失います。経験豊富で自信に満ちた薬剤師でも、ひどい環境に遭遇してしまうと一気にやられてしまいます。自信を失ってしまうと、本来発揮できていた力が発揮できないことは当然、当たり前にできていたことまでできなくなってしまいます。この状態に早い段階で気付くことができれば良いのですが、しばらく続いてしまうと不可逆的になってしまいます。
これは本当に恐ろしい事です。
少しの我慢や努力で環境が改善されるなら今の職場を続けても良いと思いますが、あなたの生活環境などから職場を変えることができるならば、管理人は今すぐに転職することをオススメします。複数店舗を持つ企業にお勤めの場合で、定期異動がないのであれば自分から社内異動を申し出ましょう。
何故なら、そういう職場はいつまで経っても変わらないからです。自分が変わるのが結局一番早いのです。
しかし、転職した先が再びブラック薬局ではいけません。
求人サイトを見る際や転職アドバイザーと話しをする際は、この記事のポイントやあなた自身が大切にしたいポイントをしっかり整理してください。
人にはそれぞれ我慢できる範囲に差があります。自分だけが…と思いつめる必要はまったくありません。
ブラック薬局の基準は「本人がブラックだと思ったらブラック薬局」です。
これを忘れないようにしてください。
ブラック薬局とはおさらばして、新天地で心機一転イキイキと働きましょう!
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