第95回 薬剤師国家試験問題(問156~160)
問156 薬物代謝酵素の遺伝的多型に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。
1.代謝酵素の遺伝的多型によって親薬物の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は変化するが、代謝物のAUCは変化しない。
2.N-アセチル転移酵素には遺伝的多型が存在し、日本人では約10%がイソニアジドのアセチル化が速い群に属する。
3.CYP2C19には遺伝的多型と関係した人種差があり、オメプラゾールのpoor metabolizer(PM)は、白人種と比べて日本人では出現率が高い。
4.CYP2D6の遺伝的多型が関与するイミプラミンのPMでは、活性代謝物の生成が増大する。
問157 薬物の腎排泄に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。
1.アミノ酸やブドウ糖などの栄養成分は、糸球体ろ過されない。
2.サリチル酸の細管再吸収速度は、尿のpHが高いほど速くなる。
3.ジコキシンは、近位細管でP糖タンパク質によって分泌される。
4.イヌリンの尿中排泄速度は、血中濃度によらず一定である。
5.p-アミノ馬家酸の腎クリアランスは、血中濃度が高いほど小さくなる。
問158 薬物の胆汁中排泄に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。
1.肝細胞の管側膜に存在するトランスポーターの多くは、促進拡散により薬物を胆汁中に排泄する。
2.プラバスタチンは、胆管側膜に存在するMRP2(Multidrug resistance-associated protein 2)により胆汁中に排泄される。
3.胆汁は肝細胞から毛細管内に分泌された後、総胆管を経て十二指腸内に分泌される。
5.グルクロン酸抱合体として胆汁中に排泄された薬物は、腸肝循環する際には腸内細菌の酵素による分解を受け、極性が増大している。
問159 薬物の吸収過程における相互作用に関する記述のうち、正しいものを1つ選べ。
1.コレスチラミンは酸性薬物を吸着するため、プラバスタチンの消化管吸収はコレスチラミンの併用により低下する。
2.高脂肪食摂取により、グリセオフルビンの化管吸収は低下する。
3.シメチジンやオメプラゾールは、インドメタシンの胃内吸収を増大させる。
4.プロパンテリンは、胃内容排出速度を増加させるので、アセトアミノフェンの吸収速度を増大させる。
問160 病態時における薬物動態に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。
1.非代償性肝硬変では、血漿アルブミン量の低下により、血漿中薬物濃度の非結合形の割合が増加する。
2.心筋梗塞では、血漿α1-酸性糖タンパク質量の増加により、塩基性薬物の分布容積は減少する。
3.呼吸不全では、動脈血の酸素分圧の低下により、肝シトクロムP450による薬物代謝活性が増大する。
4.腎不全では、糸球体る過速度の低下により、クレアチニンクリアランスと全身クリアランスが等しい薬物の生物学的半減期は短くなる。
————–解答—————–
問156 3,4
問157 3,5
問158 2,3
問159 1
問160 1,2

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