一族経営/同族経営の会社ってどうなの?
こんにちは。薬師です。
この記事を読んでくださっている方の中には、一族経営/同族経営の会社(以下、同族会社)で働いていて何かしらの疑問を持っている方やそれなりに社会経験があり何度目かの転職の際に同族会社を検討されている方もおられると思います。
同族会社での勤務経験のある管理人が同族経営の会社で働くことのメリット・デメリットを含めて書いていますので、悩んでいる方は参考にしてみてください。
同族会社とは
同族会社とは、その名の通り同族が経営している会社です。同族と言うのは同じ家族のその一族という意味で、ひとつの家族や親族が実質的に支配している会社のことです。
例えば、創業者Aさんが設立した会社でAさんが社長を務め、Aさんの奥さんが事務をしており、Aさんの息子が専務をしているような、Aさん一族で経営している状況の会社が当てはまります。同族会社にはAさん一族以外の従業員もいますが、重要なポジションにはAさん一族が就いており、それ以外の社員が就くことはほとんどないでしょう。
もし、読者の方が会社見学へ行った際に同じ苗字の人がいる比率が偶然とは思えないくらい高い場合、その会社は同族会社である可能性が高そうですね。
同族会社でよくみられること
同族会社では、一般的な会社とは違った光景が広がっています。
当然ながら会社ごとに違いはありますが、以下のような特徴がみられます。
・重要なポジションには一族の誰かが就いている
・一族メンバーの出世はとても早い
・一族以外の従業員への監視がそこそこ強い
・ルールはあるが基本的に緩い
・一族の家庭内で何かあった際は、社内の空気に違和感が漂う
・一族以外のベテラン社員は一族にとても気を使っており、気に入られている
・従業員の出入りが比較的多い(合わない人は早く辞めている)
・一族以外の社員同士は同僚という以上に仲間感がある(一族か、それ以外か。)
・ベテラン社員は一族メンバーの言いなりであることが多く、ヒエラルキーが明確である
・一族メンバーの所有する車とそれ以外の社員の所有する車に明らかな違いがある
・社内ルール等は一族メンバーの価値観によるところが多く、基本的に一般的な会社での常識は通用しないが、長く居ると慣れてくる
・雑用も立派な仕事として任される
・一族メンバーから突然無関係な仕事を任されることがある
・直属の上司がいても関係なく、社長から直々に仕事を振られることがある
など、独特の環境があります。「何か変だな」と思われる方もいれば、「こんなのどこでも普通じゃない?」と思う方もいるでしょう。個人の価値観の差により受け取り方の差が大きいのです。
同族会社で働くデメリット・メリット
では、同族会社で働くとどのようなデメリットやメリットがあるのでしょうか。
同族会社には独特の決まりや暗黙のルールがあるので、“このようなことがある!”と事前にわかっていれば冷静に対応できます。慣れていないことには誰しも戸惑いますし、周りの友人・知人が同族会社勤務でない限り、状況を理解してもらうのが難しい場合も多いです。
一般的な会社では考えられない理不尽なこともあると思いますが、それを良しとできるのか、納得できないのか、個人差が大きいところです。デメリットとメリットを細かく見て、自分だったらどう思うのか、どうするのかを考えてみてください。
デメリット
・一定以上の出世は難しい
・評価は実力ではなく、どれだけ一族に気に入られるかがすべて
・一族のルールが絶対、慣れられるか否かが問題
・一族とそれ以外で明らかに給与の差がある
・気に入られている場合や、代わりの効かない仕事をしている場合は辞めるのが大変
・一族の考え方、価値観と合わなければ苦痛
・相談窓口は外部の公的機関以外に無い
・転職先が同族会社でない場合、再びギャップに苦しむ
メリット
・競争社会ではないので一族の考え方や価値観が嫌でなければストレス少なく働ける
・長く勤めている一族以外の同僚は優しくて真面目な人が多いので仕事がしやすい
・気に入られていればそれなりに融通は利くのでラク
・従業員と経営陣の距離が近いので一般的な会社では考えられない裁量を得られることがある
・一族の誰かと結婚することになれば経営陣に仲間入りできる(笑)
・出世欲がなければそれなりの仕事でそれなりに給与が貰える(※)
(※)従業員を人と思っていない同族会社(大ハズレ)もあり、大ハズレの場合は安い給与でこき使われるのでスグに辞めましょう。
同族会社に向いている人、向いていない人
独特の環境がある同族会社は、当然ながら勤めることに向いている人、いない人がいます。
同族会社に勤務経験のある管理人が独断と偏見で分析してみます。通常の会社とは違い、誤って入社してしまうとその後の転職では多大なストレスを被る可能性があります。
また、同族会社は様々なので会社により差が激しいです。経営する一族の考え方や人間性と、あなた個人の考え方などが合う合わないが非常に大切になってきます。大ハズレもあれば、“極希に”大当たりもある世界なのです。まさにギャンブルの世界ですね。
向いている人
・出世欲がなくのんびり働きたい人、どちらかといえば受動的に働きたい人
・理不尽な人事でも気にならず、多少のストレスがあっても、とにかく安定して給料を貰えたら良い人
・ノルマや競争の多いピリピリムードが嫌な人、ワイワイと仲良く仕事をしたい人
・他人の意見にストレスなく従える人、多少の違和感を感じてもスルーできる人
・経営する一族の考え方に共感できる人、人間性が合うと思う人
向いていない人
・能動的にバリバリ仕事をしたい人、自分のペースで仕事を進めたい人
・自分の意見があり、仕事を進める上で必要な時は意見をぶつけ合える人
・実力に応じて納得できる給与を得たい人
・会社の経営に関与する所まで、またはそれ以上に出世したい人
・人と群れるのが苦手な人、ゴマすりが苦手/嫌いな人
まとめ
同族会社は本当にケースバイケースです。あなたに合う、合わないは個人差が大き過ぎて決まった答えはありません。
管理人は基本的に同族会社はオススメしません。気になる会社であれば入社して経験値を増やすというのも悪くないと思いますが、コスパ/タイパが悪いです。本来あなたが発揮できた力を発揮できなくなるだけでなく、ストレスフルになってしまう可能性があります。そこで消耗するならば、同族会社で働く意味はもはやありません。
但し、競争社会にも疲れた、この後はのんびりとした会社員人生を歩みたい方には、“考え方や価値観の合う同族会社”に限り、確率は低いですが、良い就職/転職先になる可能性があります。この場合は天職先となる可能性も秘めていると言えます。
しかし、入社する場合は必ず辞める基準を作っておくことをオススメします。それは給与など目に見えることでもいいですし、居心地が悪くなったらなどの感情的なものでも良いです。繰り返しになりますが、価値観や考え方の相違は精神的にダメージを受けます。ここが合わないと思った場合は我慢しないで辞めましょう。
就職/転職の際には、同族会社かどうかをしっかり調べて、納得できる会社を選びましょう!
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